楊さちこの季節のコラム
健康になるための養生方法!!
2019.09.02

365日、理想の体温を心がけて元気な毎日を過ごすためのアイデアをお伝えする365(サンロクゴ)。今月は養生特集です。一日の養生は、一日の効果があり、一年の養生は一年の効果があります。
健康長寿時代のあるべき姿
健康であり続けること、長寿であること。この二つのテーマは『ひと』における究極の願望です。特に中国では、長い歴史の中で、各時代の賢人が様々な知恵をしぼりメソッドが積み重ねられてきています。
そして今では、120歳まで生きるのも夢ではないと言われる健康長寿時代が始まっています。
「自分の頭で考えて、自分の目でものを見て、自分の口で食べて、自分で喋り、自分の足で道も人生も歩む生活」をしていること。
心身のバランスがとれた状態にあれば、自ら生命力が満ちあふれ、また積極的な考え方ができます。
健康と病気の境目
今の自分の状況を振り返ったときに、そうでない自分がいるとしたら、どうでしょう。特に具合の悪いところがあるわけではないけれども、かといって「健康です」と断言できない、働くことも心身の調子も、気持ちよく生きていない、ということを自覚しているとしたら、その人はいわゆる「病気」ではないとしても、中途半端な状態であるわけです。
健康な状態と病気の状態とは
実は、私たちの体には、「健康な状態」と「病気の状態」という、例えるならば、極端な真っ黒か?真っ白か?だけがあるのではありません。
「健康ではないが、お医者様にかかるほどの病気でもない状態」、すなわちグレーゾーンが、真っ白から真っ黒になるまでの間に存在します。
実は、中国や香港のひとたちは、ずっと昔からこのグレーゾーン(亜健康)の存在を知っており、病気になってから元に戻すのは一苦労だと知っていました。だから、「病気になる前にならないようにする」という自分のグレーゾーンを少しでも真っ白に近づけるために何が必要かを考えました。

「亜健康」。世界保健機関(WHO)は、1948年に健康の定義を設けた。健康とは、「肉体的、心理・精神的、そして社会的に健全な状態」。そして、「亜健康」とは、「病衣と健康の中間、半健康状態にあること、病院に行くほどではないが、日常的な体の不調・悩みなどを抱えている状態」を指す。
毎日毎日少しずつ不調をリセットすれば、病気になる前に食い止められます。それどころか、もっと真っ白な健康状態に近づくことができるという素晴らしい方法です。
より健康になるための方法「養生」
養生とは、辞書によると、「健康に注意し、病気にかからず丈夫でいられるようにつとめること」と書かれています。このように養生という言葉は、予防という考え方に結びついています。そして、養生というのは、「生命を養う」という意味です。それは、真の健康へ向かって生命力を養い高めていく、すなわちより一層のパワーアップをしていく、ということなのです。
『ひと』のあるべき姿とは、単に病気でないというだけではなく、活き活きと快適に生きている状態です。ただ息をしているだけという状態ではなく、活き活きと活動している、心身ともに元気よく生きている状態です。誰でも、だんだん元気がなくなっていく、ということを望んではいないでしょう。常に、もっと元気になりたい、より元気でいたいと願っていますよね。
中国や香港で大切な、「養生」とは
養生とは、まず今の健康状態、生活のあり方を的確に判断することから始まります。そしてその結果を踏まえて、今より、そして来年は、より一層健康になるためにはどうしたらいいか、という方向性を示してくれる考え方です。
【養生の基本】
養身在動、養心在静
体を動かす。心は落ち着かせる、それが養生の秘訣飲食有節、起居有時
飲食に節度を 規則正しい生活を物熟始食、水沸始飲
物は熟して始めて食し、水は沸かして始めて飲む多食果菜、少食肉類
野菜果物を多く摂り、肉類は少なめに摂る頭部宜冷、足部宜熱
頭寒足熱(三首とお腹を冷やさない)知足常楽、無求乃安
人間だれしも欲がある。しかし、極力それを我慢することが大切。今あるものに価値や満足を見出し、常に感謝の気持ちをもって生きれば、楽しい毎日が過ごせる
【養生を始めるときのお約束】
しっかり【養生の基本】を「理解をしてから始める」「衝動ではしない」
毎日続ける
養生は、毎日ちょっとの時間を費やして一生続けること。養生は、生活の一部にするもの自分にすぐできることから始める
すぐできることから始めて、実感できたら、次のことをしたくなります若いころから始めるのがいいが、いつからでも遅くはない
人体の生理機能で言うと、男性は、40歳ごろ、女性は35歳ごろから、老いを感じ始めます。体力や容貌に陰りが出始めるのがこのころからです
だから、養生を心がけ始めるのに適しているのはこの時期。体がまだ元気であるときから始めるのがいいでしょう。しかし、年をとってからでも遅くはありません。