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楊さちこの季節のコラム

中医学的冬支度の基本

2019.11.01

中医学的冬支度の基本は「身体の内側も外側も温めて冷えから身体を守る」こと。最も冷えやすい3つの首・お腹を温めて冬を健康に過ごしましょう。

冬支度の„心得”

冬は寒さが厳しく、乾燥しやすいのが特徴です。特に、寒さは身体にとって大きなストレスになります。まず、循環器系に影響を与えます。寒いときは体温を上げなくてはならないので、心臓にかかる負担がほかの季節にくらべて大きくなります。また、寒さから身体を守るために毛細血管が収縮し、血圧も上昇するようになります。そして、脳血管にも影響し脳卒中などの病気が起きやすくなるのです。

中医学の古典「黄帝内経」とは

中医学の古典「黄帝内経(こうていだいけい)」には、冬は草木が枯れ落ち、穀物は倉(蔵)の中にしまい込まれ、動物は冬籠りするように、すべてが閉塞して陽気(エネルギー)を外に出さない季節なので、冬の3ヵ月のことを閉蔵(へいぞう)と言って、その養生法が次のように述べられています。

冬の養生法

「冬は、気を鎮めてひそやかな気持ちで過ごし、早く寝て朝は日の出を待って起き、じかに寒さに当らないように身体を温め、過労して汗をかかないようにする。これが冬の季節に調和した養生法であります。もし、養生法に逆らって、精神を動揺させたり、寒さに当ったり、過労して汗をかいたりすると、五行による冬に配当する臓器である腎を傷害したり、春になって手足が冷えて萎えてしまう」。

冷えによるトラブル

また、冬の寒さは、腎臓・膀胱系にも影響を与えます。冷えによってトイレが近くなったり、夜間排尿の回数が増えたりもします。中医学では、腎は冬に属し、骨や腰もみな腎の統括下にあるものと考えます。だから腎の働きが衰える冬になると、手足、腰、ヒザ、肩などの運動器のトラブルが起こりやすくなってくるのです。

衣服で体温調整

とにかく冬は、寒さから身体を守ることが大切です。かといって逆に暖房などで部屋を暖かくし過ぎると、毛穴が開いて汗をかくことで身体の中の熱を外に逃がし身体を冷やしてしまいます。だから、部屋の温度は少し低めに設定して、皮膚の扉である毛穴を閉じ、衣服の工夫で身体から熱が逃げないようにするのがいいでしょう。

中医学的冬支度の基本とは

中医学的冬支度の基本は、「温かい飲み物と食べ物で身体をあたため、バスタイムもゆっくりとして身体を温め、保温力のあるインナーや衣服でその温かさを守る」ことです。

 

ポイントは、“3つの首”(首、手首、足首)と、「お腹まわり」を冷やさないこと

 

身体が温まることでさまざまな不調の解消にもつながっていくので、3つの首とお腹を冷やさないよう気をつけるだけで、「冬の寒さ」が変わってきます。

  • 【首】

    首が冷えると血行が悪くなり、寒さを感じるだけでなく首こりや肩こりの原因にもなってしまいます。マフラーや、タートルネックなどで首を守ることで、手足の先まで血流をよくし、冷えを予防しましょう。
  • 【手首】

    冬は寒さによって血管が収縮し、血流が滞りやすくなります。さらに手足といった末端への血流はどうしても少なくなってしまい冷えてしまいがちです。外出時は、いつでも着脱できる手袋やアームウォーマーなどを携帯し、冷えを予防しましょう。
  • 【足首】

    足首は心臓から一番遠いため、とくに冷えやすい場所です。 また、ふくらはぎは「第二の心臓」と言われるほど大事な部位でもあります。日頃から下半身が冷えないように。レッグウォーマーや靴下などで足首からふくらはぎまでをしっかりと守りましょう。
  • 【お腹】

    さらに、女性に大切な内臓が詰まっているお腹まわりを冷えから守ることで、様々な婦人科系のトラブル予防にもつながります。朝晩時間を問わずに腹巻でお腹周りを防御しましょう。

プロフィール

楊 さちこよう さちこ

医学博士、南京中医薬大學教授、東方美学研究院院長、
世界中医薬学会連合会亜健康専業委員会常務理事

中医学とは、「アンチエイジング×健康×長生き」のための学問です。中医学の教えは、「衣食住」すべてに関わるものなので、 病気を治すだけではなく、病気にならないようにすることを考えています。「人がいっまでも若々しく、健康で、長生きするための ライフスタイル」を提案し続けています。

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