楊さちこの季節のコラム
梅雨時期につらい関節の冷え対策
2022.06.01
綺麗なアジサイが活き活きと咲きそろい、初夏になりました。
しかし、梅雨時期はムシムシジメジメと蒸し暑く、関節が冷え痛みを訴える方が増えてくる季節です。
今回は梅雨時期につらい関節痛の原因と対策についてお伝えします。
梅雨時期を快適に過ごすため、ご自身の生活の中でやりやすい対策法から少しずつ試してください。
梅雨の時期に関節が痛くなる理由
天気が悪くなる前に「ひざが痛い」「腰が痛い」といった症状を訴える人が増えるということを耳にしたことはありませんか?
人によっては天気予報よりも正確に関節痛で天気を予報することができる人もいます。その理由は湿度が高くより冷え易くなることと、気圧の変化が大きな理由です。
特に梅雨どきは天気が悪い日が多いので、ひざや腰の痛みが悪化しやすいようです。
意外な痛みの原因
痛みの原因は、「経絡(けいらく)」の滞りです。
そもそも経絡とは、「気(き)」(体の活動エネルギー)・「血(けつ)」(血液)・「水(すい)」(体液)の通り道です。
滞りの要因となるのが、
・「風邪(ふうじゃ)」:風に当たる
・「寒邪(かんじゃ)」:冷え
・「湿邪(しつじゃ)」:湿気
といった外的要因です。それを「外邪(がいじゃ)」と言います。
東洋医学(中医学)には、「不通則痛」(通じなければ即ち痛む)という言葉があり、体内の流れが滞ると痛みが起こると考えられています。
天候が不順で、外邪に体が順応できなくなると経絡が滞り、気血水が巡らなくなり痛み易くなります。
それに加えて体内にたまる痛みの原因物質により、痛みの性質も異なります。それがこの3つの状態です。
(1)気滞【きたい】
気が巡らない。張ったように痛む。イライラすると痛みが悪化。
(2)瘀血【おけつ】
血の不足や滞りで血液が巡らない。針で刺した様に痛む。夜間や安静時に悪化。
(3)痰湿【たんしつ】
体外に排出されるべき水分が滞っている。重だるい痛み。関節がむくんで腫れ、水がたまることも。
3つの対策方法
痛みの性質が違っても、この対策方法を取り入れると多くの場合は楽になります。
①関節を鍛える
痛むからと言って関節を動かさずにいると、まわりの筋肉が衰えて動きが悪くなり(可動域がせまくなる)、痛みも起こりやすくなります。いくつになっても元気で歩くことができるよう、日頃から適度な運動を心がけ、膝のまわりの筋肉を鍛えておきましょう。
②冷やさない
関節が冷えると、周囲の筋肉や腱がこわばって固くなったり、血行が悪くなったりすることで、筋肉疲労を起こします。より関節がツラくなります。
だから、関節は冷やすことなく、温めましょう。特別な方法ではなく、日々の入浴で温めたり、膝を温める効果のあるサポーターなどを利用するのがおすすめです。
なお、関節が炎症を起こして腫れているときには、温めずに冷やします。
③部屋のジメジメをなくす
エアコンのドライ機能や除湿機を使うことはもちろん大切です。
それ以上に大切なのは、こまめに換気をすることです。換気をするときは、窓やドアを2カ所以上開けて空気の通り道を作ってあげることが大切です。
特に雨の日は、外よりも室内の湿度の方が高くなっていることがあります。外の湿気が室内に入ってこないようにと、換気をしないのは逆効果です。雨の日でも換気をするように心掛けましょう。
簡単ですが続けると効果があります
かかと上げ下げ運動
① テーブルや椅子の背に両手をついて立つ
② ゆっくりとつま先で立つ
③ つま先立ちのまま、10秒間
④ ゆっくりとかかとをおろします。
⑤ ②〜④の動作を10回繰りかえします。